2005年 09月 29日
プロの結果責任、利用者のやり場のない怒り |
昨日、右下の親知らずを抜きに歯医者に行ってきた。
ところが手術は途中で中止となり、
府中病院という近くの大病院を紹介されるという結果になった。
患者としては不可解で、怒りを覚えるとともに、
医者というプロの結果責任というものを考えさせられた。
もともと、右下の親知らずは斜めに生えていて抜きにくく、
神経が近くを通っていることも分かっていた。
自分も緊張していろいろ説明を求めたが、
若医者(not院長)はかなりの楽観主義者で
「おそらく大丈夫」と答える。
ところが。
手術がはじまって一時間経っても一向に抜きにかかる気配なし。
さらに、「血が止まんないねぇ」と言って止血に懸命になる若医者。
院長も駆けつけ、いろいろアドバイスする。
僕も貧血と麻酔でボーっとしながらも、ただならぬ事態を飲み込み始める。
そして、二時間ほど経ったころ、
若医者が「ちょっといいかな」と言い、僕をレントゲン室に連れて行った。
撮ったレントゲンを見ながら話す院長と若医者。
僕は放置プレイ。
数分後、僕の耳に「外科」という単語が入ってきた。
そして僕は全てを悟った。
外科とは口腔外科のことであり、大病院にある抜歯の専門家のこと。
そう、親知らずが抜けなかったために大病院に行け、ということなのだ。
若医者の説明によると
①歯が斜めに生えてて神経に近い
②血が止まらず、血で歯が見えない
③よって、大病院のほうが安全。「神経に傷つけたくないでしょ」
これを聞いて、内心キレる僕。
まず、①はもともと分かってた話だ。
抜けない可能性があるなら軽々しく「たぶん大丈夫」と言うな。
②も、先々週に左下を抜いて分かってた話。
それならうまく血が出ないように施術するべき。
③は、もっともだ。だが、ならば最初から大病院を紹介しろ。
途中で抜けなくなるのはお前の読み違いだろ?
さらに、患者を脅すとは何事だ?
と思いつつ、専門用語が分からずに2,3の皮肉めいた質問をするしかできなかった。
結局、歯の2/3を削り取ったあげく、近郊の府中病院を紹介するとのこと。
さらには、もう一度肉が固まらないと手術できないため一ヶ月ほどかかるらしい。
もちろん、昨日は帰宅後、一日中血を口から垂れ流すことになった。
今回考えたのは、「専門家システム」の弊害だ。
近代は、専門家がそれぞれの分野で職業としてサービスを行い
市民はそれを信頼して利用する。
一方で航空機が落ちたり、政府が無駄遣いをするという事態に対し、
被害者は専門家のような知識がないために監視ができない。
ネットなどで情報が得やすくなったとはいえ、
プロのミス(だと患者が感じる事態)に対して
患者は事前にも事後にも、意見を言うのは難しい。
悔しいが、仕方のないことでもある。
医療ミスはなくならないだろうし。
結局、信頼できるプロを見つけるしかないのだろう。
とりあえず、僕はあの若医者にはもう診てもらう気は全くない。
by itsuky
| 2005-09-29 00:00
| 日々のこと